新聞記事から

☆読売新聞 編集手帳から☆




クリスマスツリーの頂上に輝く星ーそういう指導者もいる。
幾つもの風船が宙に浮かび、そのひもを握る手ーそういう指導者もいる。経済学者のシュ―マッハが唱えた指導者像の2類型である。

ツリーの星は格好はいいが、東日本巨大地震のような危機には適していない。救出、復旧、原発危機、電力危機・・・といった複数の「風船」をそれぞれ有能な副官にまかせ、ひもを手で束ねていなければ、多様な難題に目が届きかねるのも道理である。

地震からきょうで1週間というのに、水や食料、薬などが被災者に届かない。

現地のガソリン不足から生じた物流マヒの解消が後回しにされてきた。
菅首相官房長官を分身にして上意下達型の星たらんとしたようだが、原発対応に忙殺されて綻びはいかんともしがたい。
首相も官房長官疲労は極限に近ずいているだろう。
目配りの集中力は更に落ちていく。
今からでも遅くはない。
個々の風船を任せられる人材が足りなければ野党からも借りて、態勢を立て直すときだろう。


星がいくら威風堂々を装っても、ツリー(国民)が、枯れてしまえば何にもならない。








もう1記事「文化」面から

〖民放各局 通常編成への葛藤〗   



東日本巨大地震を受けて、テレビ各局が総力戦による震災特別報道を展開している。

刻々と変化する事態を見極めながら、CMはどうするかなど、各局、葛藤が続いている。

NHKは13日までは全チャンネルを震災関連のニュースで埋めた。
14日からは、ニュースを総合と衛星第一に集約した。教育と衛星第二は安否情報や生活情報を伝えながら、子供向け番組の放送を再開した。衛星ハイビジョンは終日、通常編成に戻した。
・・・・略・・・・

14日から、朝の生活情報番組あさイチ」が再開。
早速防災情報として、新聞紙とラップを組み合わせて暖を取る方法などを紹介した。
しかし、仙台市内で避難生活を送る30代の主婦は
「東北の寒さが分かっていない。あんなものでは役に立たない。」と疑問を投げかける。

一方、在京民放キー局はテレビ東京が12日深夜から、その他の局は15日深夜までに通常番組の放送を開始したが、内容は被災者に配慮したものに差し替えている。それでも被災地ではこれらの放送時間帯に、系列局が自社制作の震災関連番組を流しているという。

商業放送である各局は14日までにCM枠を復活させた。
しかし、そこで流れたのは、通常のCMが入らない時に放送するAC ジャパン(旧公共広告機構)のCMばかり。
再開する意味があったのかとの疑問も残る。
「当初は曲の判断でCMを飛ばしたので、その分を翌月に振り返るか、払い戻すことになるだろうが、今はスポンサー側が自粛してACに差し替えている」
ある民放幹部はこう舞台裏を明かす。スポンサーが放送枠を購入している以上、その判断でCMを流さない時には原則として局に料金が入る。
自社CMが流れた企業もあるが、「広告会社との連絡ミスで放送されてしまった」と”事故”を強調。国家的非常時に自社宣伝は流せないとの空気がスポンサー側に拡がっているようだ。

ACには、主に被災地以外の視聴者から「内容が不適切」 「回数が多すぎる」などと苦情が殺到。
急遽ACは「多くの企業がCMを自粛したことによるもので、視聴者の皆様に不快な思いをさせたことを深くおわびする」というコメントをホームページ上に掲載した。

さらに、CMの最後に流れる「エーシー」という音声を削除するよう局側に要請すると共に、今回の事態にふさわしい内容のCMを制作し、早ければ今週末にも放送されるという。



  ACのコマーシャルにかかっては頭がおかしくなりそうです・・

  二度と見たく、聞きたくありませぇーーーん。